イーライ・ブラウン『シナモンとガンパウダー』感想
おかげさまでイーライ・ブラウン『シナモンとガンパウダー』(三角和代訳、創元推理文庫)の重版が決まりました。海賊船に拉致された料理人が、ろくな材料もないのに、女船長から「命が惜しければ最高の料理を作れ!」と無茶な要求をされる海賊冒険×お料理小説! pic.twitter.com/8zTZXz6K0v
— tsg_kuwano (@209_500) 2023年1月5日
twitterの投稿を見て購入し、
今日読み終わりましたが面白かったです。
全編が真面目な主人公ウェッジウッドの日記という体になっているため、
文章が堅苦しく気取っていて読みにくいかなと思いましたが
(当然だけど誘拐されてめちゃくちゃ嘆くんだこれが。最初に料理するまでが長いしw)
最初に船の上で料理してからは話が進み、
個性豊かな海賊たちの生い立ち(真偽不明)や
殺された主人の秘密、女船長マボットの真の目的、意外な人間関係などが
明らかになり、めちゃくちゃ面白かったです。
料理シーンの描写も丁寧で物珍しく、乏しい食糧とショボい設備をアイディアでなんとか工夫するところも面白かったです。
日本のあの調味料も登場!?
ウェッジウッドが捕虜という立場から海賊たちに徐々に受け入れられていくところも
胸熱でした。
それでも何度も懲りずに脱走を企てるのですが、ほとんどの読者が「船の上の生活に向いてるんだからさ、そこにいなよ!w」と思うことうけあい。
海賊らしく野蛮・グロい・汚い描写もあります。
アクションシーンも派手で、映像で見てみたいです。
ギャグシーンとしては、ミスター・アップルズと羊のくだりがウケました。
どういう意味か私にはすぐ分かったのでw
ウェッジウッドは果たして脱走に成功するのか!?
それとも海賊船に残るのか!?
それとも・・・!?
ラストの後日談は泣ける;;
ワンピース、パイレーツ・オブ・カリビアン、グルメ漫画(信長のシェフみたいな)が好きな人には特におすすめです。