Magical Tiger

食べ物、語学、音楽など 私の趣味の雑記ブログです。

【感想】ミネット・ウォルターズ『破壊者』

発売当時に購入してから今年まで9年ほど積んでいたミネット・ウォルターズの「破壊者」を読み終えました。
 
ミネット・ウォルターズは好きな作家で、今までに『女彫刻家』『氷の家』を読んでいます。今は『悪魔の羽根』を読んでいるところです。
 
 

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内容

女は裸で波間にただよっていた。脳裏をよぎるのは、陵辱されたことではなく手指の骨を折られたことだった。―そして小石の浜で遺体が見つかる。死体発見現場から遠く離れた町では、被害者の三歳の娘が保護されていた。なぜ犯人は母親を殺し、娘を無傷で解放したのか?凄惨な殺人事件は、被害者をめぐる複雑な人間関係を暴き出す。現代英国ミステリの女王が放つ、稀代の雄篇。

 

感想

『破壊者』は、買ったは良いものの、

レイプ殺人事件が発端になっていて読むのがしんどかったこと
舞台が地味で序盤が引き込まれなかったことなどから
今まで放置してしまいました。
 
 
この内容でこの長さはちょっと長い・・・
巻頭に地図が出てくるのですが地形を頭に入れなくても特に困らず最後まで読むことはできます。
 
容疑者が大体2人とかなり少ないんですが
犯人の意外性が無く、「え、こんなに引っ張って結局・・・?」て感じでした。
終盤、犯人の名前を明かさない形で犯人の独白が始まるのですが、
私は別の人を犯人だと思っていてどんでん返しを期待していたため、混乱しました。
逆に意外性があった・・・? 
 
容疑者たち、被害者の元同僚など色々な人の証言が出てきて、その話を丁寧に聴いていくことが話の軸になっています。(地味)
 
被害者の女性が中傷されがちな点もこの作品のテーマになっているようです。
被害者に関する犯人の証言(嘘)を信じながら読み進んでしまったことには驚きました。
 
ケイトは実際はどういう人だったのか?
犯人の嘘の証言を抜きにしても、ケイトの言動は謎が残るようになっています。
人によって被害者の描写が違うところは有吉佐和子さんの『悪女について』を思い出しました。
 
そしてマギーの家の描写が汚すぎ笑
 
『女彫刻家』『氷の家』は面白かった記憶がありますが
内容を忘れてしまったので読み返したいです。
『破壊者』はあんまり・・・だったけどストーリーは覚えている作品となりそうです。